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文献詳細

雑誌文献

臨床外科53巻12号

1998年11月発行

文献概要

特集 肝癌治療のupdate Ⅲ.肝細胞癌外科治療の展開

2.全肝血行遮断下肝切除術

著者: 小山研二1 佐藤勤1 安井應紀1 草野智之1 黒川敏昭1 加藤健1

所属機関: 1秋田大学医学部外科

ページ範囲:P.1447 - P.1451

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 全肝血行遮断下肝切除は,固有肝動脈,門脈,肝上部・下部下大静脈を遮断して,無出血下に肝切除を行うものである.肝門部での動脈・門脈一括遮断に比べ止血にはより有効で,肝静脈の下大静脈流入部近辺の大きな腫瘍や巨大腫瘍で切除の際に出血が多いため,速やかに腫瘍を摘除した後に肝切離面の止血操作をする方がよいものにきわめて有用で,特に,肝切除に慣れていない術者には全肝血行遮断のための血管剥離をしておくことが勧められる.大静脈および門脈バイパスを伴う低温肝灌流下全肝血行遮断は,現在では考えにくい手術をも可能にする潜在的能力をもつもので,この基本手技に習熟することは今後のこの領域の発展に有用と考える.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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