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文献詳細

雑誌文献

臨床外科53巻12号

1998年11月発行

特集 肝癌治療のupdate

Ⅲ.肝細胞癌外科治療の展開

3.肝細胞癌切除後再発例の治療戦略

著者: 佐野圭二1 高山忠利1 幕内雅敏1

所属機関: 1東京大学医学部肝胆膵外科

ページ範囲:P.1453 - P.1456

文献概要

 肝細胞癌は治癒切除後も高率に再発する.その理由は,肝細胞癌が門脈侵襲を伴い経門脈的散布により肝内転移を起こすためと,切除後残肝も発癌の準備段階にあり新たな発癌(多中心性発癌)を起こすためである.肝切除術後再発に対して,肝内転移再発か多中心性発癌再発かを診断し,より適切な治療法を選択することが重要である.肝動脈塞栓療法(TAE)は,切除・PEI適応外の全肝多発症例に残された唯一有効な治療法であり,施行可能回数も限られているので安易に施行しない.肝内再発の進展とその治療は,肝不全という最終的結末の直接的・間接的な原因となりうるので,再発治療においても癌細胞の可及的除去と肝機能保持のバランスを十分考えた治療戦略を立てるべきである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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