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文献詳細

雑誌文献

臨床外科53巻12号

1998年11月発行

特集 肝癌治療のupdate

Ⅲ.肝細胞癌外科治療の展開

4.多発進行肝細胞癌に対する肝切除術と経皮的肝灌流化学療法(PIHP)の2段階治療

著者: 具英成1 富永正寛1 岩崎武1 福本巧1 楠信也1 黒田嘉和1

所属機関: 1神戸大学医学部第1外科

ページ範囲:P.1457 - P.1461

文献概要

 多発進行肝細胞癌に対する新しい治療戦略として減量肝切除と経皮的肝灌流(PIHP:per-cutaneous isolated hepatic perfusion)の2段階治療を実施した.対象例13例は,主腫瘍の肝内分布により偏在型(6例)と多中心型(7例)に大別され,偏在型の6例では肝葉切除,多中心型の7例では部分切除を施行した.肝葉切除の2例は肝外転移の急速な進展によりPIHPの追加を断念したが,残り11例ではアドリアマイシン(60〜120mg/m2)によるPIHPを肝切除後1〜3回反復した.2段階治療が完遂できた11例中,肝腫瘍の完全消失は4例,部分消腿は4例で未判定の1例を除くと80%の症例で良好なlocal controlが得られた.以上より両葉多発例でもPIHPの併用により肝切除の適応拡大が可能と考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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