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文献詳細

雑誌文献

臨床外科53巻12号

1998年11月発行

文献概要

外科医に必要な耳鼻咽喉科common diseaseの知識・6

副鼻腔嚢胞性疾患

著者: 藤谷哲1

所属機関: 1昭和大学医学部耳鼻咽喉科

ページ範囲:P.1472 - P.1473

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疾患の概念
 副鼻腔嚢胞は副鼻腔の腔内に分泌物が貯留し拡大した病態を指し,嚢胞壁内腔は副鼻腔自体の粘膜によるものをいう.副鼻腔嚢胞は手術との関連,内容液の性状,解剖学的区分,歯との関連により分類される(表).
 手術との関連では非手術性と術後性(経手術性)とに分類できる.非手術性嚢胞は外傷や鼻腔・副鼻腔の形態異常により各副鼻腔の鼻腔への開口部閉塞や狭窄が起こり,発症すると考えられ,前頭洞や篩骨蜂巣に多く認められる.術後性(経手術性)嚢胞は,手術時の遺残粘膜の腺組織からの分泌物により成立するとする粘膜遺残説,鼻粘膜侵入説,対孔の閉鎖によるとする説など諸説あるが,一般的には粘膜遺残説が信じられている.手術後の嚢胞は初回手術から10〜20年後に至って発症することが多く,大多数は上顎洞に認められる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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