文献詳細
臨床報告・1
リンパ節転移陽性で6mm径十二指腸カルチノイドの術後長期生存の1例
著者: 小西一朗1 二上文夫2 上田順彦1 広野禎介1 斉藤勝彦3
所属機関: 1国立山中病院外科 2富山市民病院外科 3富山市民病院病理
ページ範囲:P.1509 - P.1512
文献概要
消化管のカルチノイドは,ほぼ全例が悪性であるといわれている1).本邦カルチノイド2,504例の集計2)をみると,十二指腸カルチノイドにおけるリンパ節転移は254例中45例,35%にみられたと報告されているが,腫瘍径別の分類はなされていない.一方,真次らの報告3)によれば,腫瘍径10mm未満の十二指腸カルチノイド47例でリンパ節転移をみた症例はない.今回われわれは,腫瘍径6mmでNo.13a,17a,17bリンパ節に転移を認め,膵頭十二指腸切除術(以下,PD)施行後6年4か月を経て健在な十二指腸カルチノイドの1例を経験したので報告する.
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