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手術手技
深部用マイクロ波凝固電極を用いた腹腔鏡下肝部分切除術
著者: 竹内仁司1 田村竜二1 柚木靖弘1 田中屋宏爾1 安井義政1 小長英二1
所属機関: 1国立岩国病院外科
ページ範囲:P.1613 - P.1617
文献購入ページに移動肝細胞癌の治療として外科的切除1),経カテーテル的肝動脈塞栓術2)(transcatheter arterial embolization:TAE),経皮経肝的アルコール注入療法3)(percutaneous ethanol injection thera-py:PEIT)の単独療法,あるいはそれらのいくつかを組み合わせた治療法が行われてきたが,これらの治療法はそれぞれ限界がある.新しい局所療法である経皮的マイクロ波凝固療法(per-cutaneous microwave coagulation therapy:PMCT)4)は,照射局所が確実に凝固,壊死に陥るため,PEITに代わる治療5)として今日広く行われるようになった.当院でも4年前より行ってきたが6),PMCTの適応にも限界がある.すなわち,肝表面の腫瘍では熱が周辺組織に及び,腹壁熱傷や腸管,胆嚢などの管腔臓器の穿孔を誘発する恐れがある.筆者らはこうした経皮的治療困難な部位に対し,深部用マイクロ波電極を用いて腹腔鏡下肝部分切除術を施行した.本法は腫瘍切除と周辺組織に対するマイクロ波凝固作用によって,より確実な治療効果が期待できる.また,手技的にも簡便なため,今後広く普及する可能性があるので報告する.
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