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文献詳細

雑誌文献

臨床外科53巻2号

1998年02月発行

特集 食道・胃静脈瘤攻略法

食道静脈瘤の薬物療法

著者: 金沢秀典1 小林正文1

所属機関: 1日本医科大学第3内科

ページ範囲:P.181 - P.186

文献概要

 欧米におけるrandomized controlled studyの成績を中心に,食道静脈瘤に対する薬物療法について概説した.食道静脈瘤破裂の止血にはvasopressinとnitroglycerinの併用またはoctreotideが用いられるが,その止血率は約60%であり,EISやEVLに比べ低率である.予防的治療では治療効果および安全性の両面から薬物療法が優れており,非選択性のβ遮断剤であるpropranolol,nadololを治療の第一選択とすべきである.待期的治療ではβ遮断剤,EISのいずれも再出血を低下させるが,EISでは生存率の向上も期待できることからEISが第一選択となる.β遮断剤と硝酸イソソルビドの併用はβ遮断剤単独より優れており,予防,待期のいずれでも併用療法を行うことにより今後さらなる成績の向上が期待できる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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