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文献詳細

雑誌文献

臨床外科53巻3号

1998年03月発行

特集 自己血輸血の現状と将来展望

心臓血管外科領域における術中同種血輸血削減の試み

著者: 国原孝1 安田慶秀1 椎谷紀彦1

所属機関: 1北海道大学医学部附属病院循環器外科

ページ範囲:P.307 - P.313

文献概要

 心臓血管外科における同種血輸血削減方法について,術中,人工心肺中の工夫を中心に紹介した.32例の術中自家血小板採取では血小板を172±45g採取し,採取した血小板の機能が十分保護されていることを示した.術中出血回収法はそれ単独で非破裂腎動脈下腹部大動脈瘤の待機手術で64.3%の無輸血手術を可能とし,輸血量を節減した.1997年の1年間に人工心肺を用いて手術を施行した15歳以上の成人例87例において,術中無輸血が可能であった症例は術前自己血貯血のみでは73.3%,自己血小板採取のみでは38.9%,両者の併用では90.0%であり,同種血輸血削減のためには,赤血球の確保と血小板保護の双方が不可欠であると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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