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文献詳細

雑誌文献

臨床外科53巻3号

1998年03月発行

特集 自己血輸血の現状と将来展望

肝癌手術における自己血輸血

著者: 麦谷達郎12 谷口弘毅2 山口明浩2 高田敦2 高橋俊雄2

所属機関: 1金井病院外科 2京都府立医科大学第1外科

ページ範囲:P.315 - P.320

文献概要

 自己血輸血を用いた肝細胞癌肝切除例および大腸癌肝転移肝切除例を,同種血輸血例,無輸血例と比較した.肝細胞癌例では自己血例で同種血例に比し術後貧血からの回復が早かった.転移性肝癌例では,自己血例と同種血例は同様の経過を示した,術後T-Bil値の変化において,肝細胞癌例で,自己血例は無輸血例と同様の経過を示したが,同種血例は他に比べ高値を示し,その回復遅延も認めた.転移性肝癌例では,同種血例で術後早期に一時的に高値を認めた.出血量と輸血量の検討より,術前貯血800g,術直前Hct値35〜37%,術中出血量1,300g程度であれば自己血輸血のみの肝切除手術が可能である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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