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文献詳細

雑誌文献

臨床外科53巻3号

1998年03月発行

文献概要

特集 自己血輸血の現状と将来展望

人工酸素運搬体の位置づけ

著者: 小林紘一1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部呼吸器外科

ページ範囲:P.325 - P.333

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 使用に当たり血液型の判定や交差試験が必要なく,また感染や不必要な免疫反応の危惧のない人工酸素運搬体が開発されつつある.それらは,1)Perfluorochemicals,2)ヒトやウシのヘモグロビンを利用したもの,3)酸素運搬機能を持つヘム自体も合成し,それを酸素運搬体として利用する全合成系のものなどがある.これらの人工酸素運搬体は出血性ショックや稀有な血液型の症例,体外循環の際の灌流液,経皮的冠動脈拡張術の際の心筋の虚血の予防,心筋梗塞や脳梗塞の際の酸素付加などに利用できることが期待されておりヘモグロビンを利用した人工酸素運搬体の一部のものは臨床でPhaseⅢのtrialまでいっているものがある.またアルブミンにヘムを結合させたアルブミンヘムは,膠質浸透圧を持った酸素運搬体としてresuscitation fluidとしての開発が期待されている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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