icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床外科53巻3号

1998年03月発行

臨床外科交見室

open tension-freeヘルニア修復術におけるメッシュの固定の必要性について

著者: 山本俊二1

所属機関: 1神鋼病院外科

ページ範囲:P.336 - P.337

文献概要

 成人鼠径ヘルニアに対して,人工のメッシュを用いることにより,縫合部に緊張がかからない修復ができ,また,脆弱化した組織の補強もでき再発を防止することができる1,2).このメッシュを用いたopen tension-freeヘルニア修復術の術式や成績については,これまでにも発表している3-6).現在,製品化されたプラグやパッチが市販されるようになり7),取り扱いが容易となり,open tension-freeヘルニア修復術としてmesh-plug法7)が,多くの施設でも施行されるようになった8)
 ただし,ヘルニア嚢を処理しないで,単に腹腔内に翻転し,この部分にメッシュ・プラグを挿入するだけであったり,メッシュ・パッチを鼠径管後壁に置くだけであったりして,メッシュの固定を行わない施設がある.たしかに,メッシュはそれ自身強力であるとともに,その網の目の中に線維芽細胞の増殖が加わり,4〜5週間後には周囲組織と強固に結合する.しかし,メッシュの不確実な固定が,プラグの逸脱や,パッチのちぢみをきたし,再発することが指摘されている9).実際われわれは,他院でメッシュを固定しなかったために再発をきたした症例を,過去1年間に2例経験している.メッシュを固定しない方法の誤りを指摘するとともに,手術中のメッシュの確実な固定の重要性を強調したい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら