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文献詳細

雑誌文献

臨床外科53巻4号

1998年04月発行

文献概要

カラーグラフ 内視鏡下外科手術の最前線・40 肝・胆・膵・脾

腹腔鏡下肝嚢胞開窓術

著者: 長谷川格1 平田公一1 秦史壮1

所属機関: 1札幌医科大学医学部第1外科

ページ範囲:P.399 - P.404

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はじめに
 1996年4月の社会保険診療報酬改定で,腹部領域についても多くの腹腔鏡下手術の保険診療が認められた.とくに本シリーズの肝・胆・膵・脾領域では胆嚢摘出術がすでに標準術式の1つとなり,他領域についても現在では良性疾患のみならず,悪性疾患に対しても適応拡大が図られている.筆者らの教室でも1991年より腹腔鏡下胆嚢摘出術を開始し,基本手技の向上,機器の開発に合わせて,現在では種々の領域の疾患に対して腹腔鏡下手術を施行している.また今回のテーマである肝嚢胞に対する腹腔鏡下手術の報告1)も散見されるようになってきたが,その適応と術式についてはいまだ確立されていない.現時点での本疾患に対する治療は,主に超音波誘導下によるドレナージ術,エタノール局注療法,薬物注入療法2,3)などが第1選択として施行され,良好な成績が報告されている.一方,開腹術は特定の症例を除き,その侵襲の大きさから施行される機会が少なくなった.しかし超音波装置を併用した治療に完治を得られぬ症例があり,特に巨大化した肝嚢胞に対しては難治例や再発例があり,治療期間が長期にわたる場合があった.したがって,このような症例に対して低侵襲でかつ根治性のある治療法が求められていたが,ここ数年来普及した腹腔鏡下手術が開腹手術による根治性と超音波による治療法の低侵襲性を合わせ持つ治療法として注目されるに至っている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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