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文献詳細

雑誌文献

臨床外科53巻4号

1998年04月発行

文献概要

特集 早期直腸癌診療のストラテジー

広範間膜切除を伴う直腸局所切除術(WME直腸局所切除術)

著者: 畦倉薫1 安部哲也1 平松聖史1 上野雅資1 太田博俊1 高橋孝1 小泉浩一2 甲斐俊吉2 柳沢昭夫3 加藤洋3

所属機関: 1癌研究会附属病院外科 2癌研究会附属病院内科 3癌研究会附属病院病理

ページ範囲:P.431 - P.437

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 食生活の欧米化,検診の普及により早期直腸癌は増加しつつあり,進行度に応じた適正手術が求められている.下部直腸の早期癌に対するこれまで手術は局所切除か開腹根治手術かの二者択一であり,その段差があまりにも大きかった.筆者らは中問の根治性・手術侵襲を有する広範間膜切除を伴う直腸局所切除術(WME直腸局所切除術)を工夫し症例を重ねつつある.直腸sm癌の進展様式に沿い,小範囲の直腸局所切除(safty marginは10 mm前後の直腸全層切除)に口側に10cm以上もの広範な直腸間膜切除(リンパ節郭清)を加える術式で14例に施行,平均31か月の観察で再発を認めていない.加藤による大腸sm癌亜分類に従い,sm1はポリペクトミーか局所切除で可,sm2・sm3はリンパ節郭清を伴う根治手術必要との方針で望んでいるが,この中でWME直腸局所切除の適応はsm2で浸潤の浅い癌(sm2 shallow cancer)である.sm2浅層浸潤の診断は超音波内視鏡(EUS)と内視鏡的粘膜切除か経肛門的直腸粘膜切除で決めている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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