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文献詳細

雑誌文献

臨床外科53巻4号

1998年04月発行

文献概要

特集 早期直腸癌診療のストラテジー

経肛門的内視鏡下マイクロサージェリー(TEM)による早期直腸癌の治療

著者: 木下敬弘1 金平永二1 大村健二1 川上和之1 渡邊洋宇1

所属機関: 1金沢大学医学部第1外科

ページ範囲:P.439 - P.444

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 教室では早期直腸癌に対する経肛門的内視鏡下マイクロサージェリー(TEM)の適応を,(1)腫瘍肛側縁から肛門縁までの距離が5 cm以上20 cm未満,(2)SM浸潤が明らかではない,(3)基部長径が1.5 cm以上を満たすもの,としている.これまでに30症例に対して施行した結果,平均腫瘍径は30.6 mm,平均手術時間は61.4分であった.術中合併症は認めず,治療を要した術後合併症は狭窄の1例(3.7%)のみであった。sm1ly11例,sm21例,sm3l例の計3例(10.0%)に追加切除を施行した.経過観察期間は最長4.5年,平均1.5年で,1例(3.7%)にのみ局所再発を認めた.
 TEMは低侵襲性と根治性を兼備した外科的局所切除術として,早期直腸癌の治療体系において重要な選択肢として位置付けられるものと思われる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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