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文献詳細

雑誌文献

臨床外科53巻4号

1998年04月発行

文献概要

遺伝子治療の最前線・10

TNF遺伝子導入による癌治療

著者: 渡辺直樹1 佐藤康史2 新津洋司郎2

所属機関: 1札幌医科大学医学部附属病院検査部 2札幌医科大学医学部附属病院第4内科

ページ範囲:P.469 - P.474

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はじめに
 腫瘍壊死因子(tumor necrosis factor:TNF)は,もともと実験動物において腫瘍に出血性壊死を誘発する因子として発見された.その細胞傷害性は種々のサイトカインのなかで最も強力であり1),また,腫瘍細胞上のMHC抗原や,接着因子の発現増強,LAK,NK,CTLの誘導や活性の増強,抗腫瘍性マクロファージの誘導,好中球の活性化など,多彩な作用を介して抗腫瘍作用を発揮する2〜5)
 TNFの臨床応用については皮膚腫瘍,肝臓癌,膵臓癌などへの腫瘍内投与において高い奏効率が得られたにもかかわらず,全身投与では血圧低下,発熱などの副作用のため,満足すべき効果(奏効率)を得るに至っていない6,7)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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