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臨床研究
肝右葉切除前の門脈右枝塞栓術の経験
著者: 斎藤信也1 津下宏1 森雅信1 八木孝仁1 高倉範尚1 田中紀章1
所属機関: 1岡山大学医学部第1外科
ページ範囲:P.485 - P.488
文献購入ページに移動わが国の現状では,慢性肝炎や硬変肝に発生した肝細胞癌や黄疸を伴う胆管癌に対する肝切除が相当多いと思われる.これらの肝切除後には当然のごとく正常肝に比べて高率の肝不全の発生が危惧される.この問題の解決の一助として,切除予定肝の門脈枝を塞栓し,同部の萎縮と残存肝の肥大を待って,肝切除を行う方法の有用性が報告されている1〜5).
筆者らの施設でも1992年から肝右葉切除術の術前に門脈右枝を塞栓し,右葉の萎縮と左葉の代償性の再生肥大を促し,肝不全の防止と手術適応の拡大を試みている.今回は,主として門脈右枝塞栓の残存肝(肝左葉)の容積に及ぼす効果と,その副作用を中心にその結果を報告する.
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