臨床外科53巻4号

1998年04月発行

臨床報告・1

胃原発悪性消化管間質腫瘍（分類不能型）の1例

著者： 松本正俊¹ 藤川貴久¹ 西村理¹ 松末智¹ 兼平和徳² 小橋陽一郎²

所属機関： ¹天理よろづ相談所病院腹部一般外科 ²天理よろづ相談所病院研究所病理部門

ページ範囲：P.505 - P.508

はじめに
　胃の粘膜下腫瘍は全胃腫瘍の約3.7％を占め，平滑筋腫，悪性リンパ腫など複数の腫瘍がこれに含まれている^1）．近年これらのうちで消化管壁の間質細胞に由来するものを総括して，gastrointes-tinal stromal tumor（以下，GIST）と呼ぶことが提唱されており^2），大きく平滑筋原性腫瘍と神経原性腫瘍の2つに分けられている．今回筆者らは，このGISTの中でも上記2つのいずれにも属さないuncommitted typeの1例を経験したので，文献的考察を加えて報告する．