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文献詳細

雑誌文献

臨床外科53巻5号

1998年05月発行

文献概要

特集 病態別補充・補正のFormula

水・電解質異常に対する補充・補正のFormula

著者: 橋口陽二郎1 斎藤英昭2 岩波弘太郎1 坂本裕彦1 関根毅1

所属機関: 1埼玉県立がんセンター腹部外科 2東京大学医学部附属病院手術部

ページ範囲:P.551 - P.559

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 水・電解質異常は,問診,診察,検査によって異常に至った機序を把握し,病態に即したFormulaを適用して補正する.術後の低Na血症の多くは,低Na液の過剰投与で惹起され,中枢神経症状発現時は高張食塩水を緩徐に投与して補正する.低K血症は,K摂取不足,多尿,嘔吐などが原因で,補正の際には低濃度で緩徐に行う必要がある.高K血症で血清K値が6.5mEq/l以上あるいは心電図異常が認められる場合は,迅速に血清K値を下げる必要があり,Ca製剤静注後,グルコース・インスリンの点滴静注を行う.術後乏尿は脱水と急性腎不全に注意する.術後の多尿は,高血糖による浸透圧利尿を除けば,輸液過剰によるものが多い.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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