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遺伝子治療の最前線・11
IFN-γ遺伝子導入による癌治療
著者: 一ノ瀬庸1 沖野孝2 今村正之3
所属機関: 1公立豊岡病院外科 2京都桂病院外科 3京都大学医学研究科腫瘍外科
ページ範囲:P.607 - P.612
文献購入ページに移動Interferon-gamma(IFN-γ)を含むサイトカインは免疫反応の制御にかかわる生理活性物質で,これを用いて癌細胞を攻撃する免疫反応を高めようとする治療法が試みられてきた.臨床例でのrecombinant-IFN-γの全身投与あるいは局所投与では,腎細胞癌,悪性リンパ腫,菌状息肉症,Bowen病,基底細胞癌などでCRを含む有効例を認めたと報告されている1,2).しかし,サイトカインは一般に生体内半減期が短く,治療効果を導くためには大量投与を余儀なくされ,これに伴う副作用の発現のため投与量を制限せざるをえないことも多い.この理由からサイトカインの遺伝子を腫瘍細胞3,4),生体側の効果細胞(effector)5,6)などに導入し,全身への影響を少なくし,局所での免疫反応をより高める治療法が試みられてきている.ここではIFN-γ遺伝子導入腫瘍細胞を用いた癌遺伝子治療について,筆者が京都大学医学研究科腫瘍外科で行った実験を含めて概説する.
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