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文献詳細

雑誌文献

臨床外科53巻6号

1998年06月発行

特集 ここまできたDay Surgery

一般消化器外科におけるDay Surgeryの現状と問題点—アンケート集計結果

著者: 長尾二郎1 炭山嘉伸1

所属機関: 1東邦大学医学部外科学第3講座

ページ範囲:P.677 - P.680

文献概要

 一般消化器外科医にとって,なじみの薄いday surgeryについて,アンケート集計の結果を報告した.回答を得た57施設のうち,13施設(22.8%)で1996年の時点でday surgeryが導入されていた.対象疾患としては小児ヘルニア,乳腺疾患,肛門疾患などであったが,手術件数としては施設総手術数の0.1〜6.6%であり,まだ一般化したものではなかった.Day surgery専用の手術室を有する施設は2施設のみで,専用スタッフ,病棟を有する施設はなかった.Day surgeryの利点としては,ベッド回転率の向上以外には病院サイドとしての利点はなかった.患者・家族のストレス軽減,経済的負担の軽減など,患者サイドの利点が多かった.問題点としては体制面の不備をすべての施設が指摘し,専用の手術室・病棟・スタッフの不備,帰宅後の患者のフォローアップの不備などの指摘があった.Day surgeryを導入していない38施設のうち,10施設では将来的にはday surgeryを採用する考えで,2施設では現在進行中の改築計画でday surgeryの専用施設の計画がなされていた.また現時点ではday surgery導入の予定はない28施設でも,必要性がない,患者要請がないなど,day surgeryの導入に消極的な施設は17施設,残りの11施設では消化器外科医としては前向きな考えであり,将来的にはday surgery導入の可能性を含んだ回答であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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