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文献詳細

雑誌文献

臨床外科53巻7号

1998年07月発行

文献概要

特集 分子生物学的診断は病理診断に迫れるか

肺癌治療における分子生物学的診断の意義—自験例(TM 4 SFの研究)を交えて

著者: 足立匡司1 三宅正幸1

所属機関: 1北野病院胸部外科

ページ範囲:P.835 - P.841

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 肺癌の発生率は増加の一途をたどり,日本人男性の癌死亡の1位となっている.今回,肺癌の分子生物学的診断の意義として,前癌病変からの癌発生の予測と予後因子の推定について述べる.扁平上皮癌の進展の過程における癌抑制遺伝子p53の変異を調べ,癌発生予測因子となるかどうかが検討されている.また,予後因子に関しては,染色体3番短腕の欠失やp53,K-ras,RB,erbB-2,bcl-2など数多くの報告がなされている.予後の推定に関してはわれわれが以前より研究を進めているtransmembrane 4 superfamily(TM 4 SF)のうち,癌転移抑制遺伝子であるMRP-1/CD 9とKAI 1/CD 82を用いた新たなる病期分類は有意義な予後測因子となることが判明した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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