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特集 肛門疾患診断・治療のノウハウ
裂肛の治療—ニトログリセリン軟膏治療を中心に
著者: 服部和伸1
所属機関: 1木島病院肛門科
ページ範囲:P.1015 - P.1019
文献購入ページに移動 内括約筋の収縮を抑制する神経伝達物質としてnitric oxideが知られてきた.この供給体であるニトログリセリン軟膏を用いた治療が試みられるようになり,裂肛治療のストラテジーが変化しつつある.急性裂肛は便の軟便化や肛門衛生などの保存療法を行うが,内括約筋の痙攣が強い場合はニトログリセリン軟膏を使用する.慢性裂肛はまずニトログリセリン軟膏治療を行う.無効ならば用手肛門拡張や側方皮下内括約筋切開術(LSIS)を行う.器質的肛門狭窄があるものには早川式の皮膚弁移動術(SSG),痔瘻を合併しているものではY-V〜V-YによるSSG法を行う.従来,用手肛門拡張やLSISが必要であった症例の多くはニトログリセリン軟膏治療で手術を回避できる.
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