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文献詳細

雑誌文献

臨床外科53巻9号

1998年09月発行

特集 急性腹膜炎—病態と治療の最前線

Ⅰ.病態—最近の知見

3.多臓器不全の発生機序

著者: 篠澤洋太郎1 藤島清太郎1 山崎元靖1 関根和彦1 三村琢也1 相川直樹1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部救急部

ページ範囲:P.1111 - P.1117

文献概要

 重症腹膜炎患者では炎症性サイトカインであるTNFα,IL-1βの産生,血中への遊離が増大しSIRSを呈するが,サイトカイン自体には組織傷害性はなく,IL-8により活性化される好中球より遊離される活性酸素,エラスターゼなどが組織傷害に関係する.炎症性サイトカインや活性化好中球は,凝固線溶系,補体系の活性化,DIC,微小循環障害,虚血再灌流,アポトーシス,傷害臓器のremodelingなどにも関係し,臓器障害(MODS)を惹起する.また,免疫系の障害はCARSを誘導し,腹膜炎の増悪,他部位感染症の併発,BTなどによりMODSの増悪に関係すると考えられる.好中球の存在部位(腹膜,肺)による動態の相違についての検討も進められている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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