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文献詳細

雑誌文献

臨床外科53巻9号

1998年09月発行

特集 急性腹膜炎—病態と治療の最前線

Ⅱ.治療法の選択とタイミング

1.SIRSの評価と治療法

著者: 井上知巳1 齋藤英昭2

所属機関: 1東京大学医学部第1外科 2東京大学医学部手術部

ページ範囲:P.1119 - P.1124

文献概要

 急性腹膜炎治療の原則は,適切な対策による腹腔内感染の終結と臓器不全の予防である.急性腹膜炎の早期発見や治療法の選択,予後予測には重症度評価が必要となる.そして急性腹膜炎に伴う全身炎症反応の程度を,簡易な臨床観察項目で定義したのがSIRSである.しかし現状のSIRSの定義では,その評価が急性腹膜炎の重症度を明確に反映するとは言い難い.このため,SIRSの病態をより詳細に評価する方法,すなわちAPACHE Ⅱスコアや血中メディエータ濃度評価が用いられる.急性腹膜炎治療では,外科的治療や抗菌療法に加え,栄養管理や重要臓器機能のサポート,メディエータ対策が重要である.その際,全身の炎症性・抗炎症性メディエータのバランスを保ち,腹腔局所の炎症性メディエータを重視した対策が必要となる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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