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文献詳細

雑誌文献

臨床外科53巻9号

1998年09月発行

特集 急性腹膜炎—病態と治療の最前線

Ⅱ.治療法の選択とタイミング

3.上部消化管穿孔例の保存的治療—十二指腸潰瘍穿孔を中心に

著者: 井上義博1 大森浩明1 遠藤重厚1

所属機関: 1岩手医科大学高次救急センター

ページ範囲:P.1129 - P.1133

文献概要

 消化管穿孔,特に十二指腸潰瘍穿孔に対し,最近保存的治療を行う施設が増加し,良好な成績を上げている.しかしながら,保存療法の選択についての統一的な基準はない.われわれの施設では1988年から十二指腸潰瘍穿孔に保存的治療を導入し,1993年から1996年までprospective studyを行ったところ,保存的治療の中で経過中に腹腔ドレナージを行った症例が入院日数,診療単価,平均年齢ともに有意に高く,65歳以上が多かった.したがってその後は65歳に達しない症例で,重篤な基礎疾患がなく,腹水の大幅な増量のない症例に対し,第1選択に保存療法を行っている.また,保存的治療を行うにあたっては確定診断が不可欠であり,内視鏡検査が有用である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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