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文献詳細

雑誌文献

臨床外科53巻9号

1998年09月発行

文献概要

特集 急性腹膜炎—病態と治療の最前線 Ⅱ.治療法の選択とタイミング

4.急性腹膜炎に対する腹腔鏡下手術の適応と限界

著者: 長島敦1 吉井宏1 奥沢星二郎1 北野光秀1 土居正和1 福島秀起1 茂木正寿1 山本修三1

所属機関: 1済生会神奈川県病院外科

ページ範囲:P.1135 - P.1139

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 腹腔鏡下手術は,手術器具の進歩により,胃・結腸・直腸切除まで適応が拡大されている.しかし,腹腔内洗浄には限界があり,現在の腹腔鏡下腹腔内洗浄で対処できる急性腹膜炎は,非細菌性の汎発性腹膜炎および限局性腹膜炎までである.このため腹腔鏡下手術の適応は,穿孔性十二指腸潰瘍,小腸穿孔,急性虫垂炎,急性胆嚢炎などになる.また,原因不明あるいは確定診断がつかない急性腹膜炎も腹腔鏡検査の良い適応であり,疾患によっては腹腔鏡下で治療が可能となる.急性腹膜炎の腹腔鏡下手術に際しては,臓器が炎症性変化を生じていることを理解し,愛護的な操作を心掛け,開腹術への移行をためらわないことが重要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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