文献詳細
特集 急性腹膜炎—病態と治療の最前線
Ⅲ.ハイリスク例の特徴と治療の要点
文献概要
過去9年間に経験した70歳以上の高齢者の汎発性腹膜炎39例の臨床的特徴について検討した.穿孔部位は大腸が最も多く,続いて胃・十二指腸,小腸であった.術前よりショック状態が26%でみられ,また意識状態の低下が36%に認められ予後不良であった.手術死亡は11例28%であったが,術前に白血球減少(5,000以下),BUN,Creatinineの上昇,および代謝性アシドーシスが認められた場合は重篤であった.高齢者の穿孔性腹膜炎では,発症から手術まで時間が経過しているため全身状態の悪化している場合が多く,状態に見合った侵襲の少ない手術を行うべきと考えられた.
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