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特集 急性腹膜炎—病態と治療の最前線 Ⅲ.ハイリスク例の特徴と治療の要点
3.肝硬変と腹膜炎
著者: 今岡真義1
所属機関: 1大阪府立成人病センター外科
ページ範囲:P.1165 - P.1169
文献購入ページに移動 肝硬変は重度の肝障害で,非代償期になると腹水貯留,食道静脈瘤からの出血,腎不全,肝性脳症など多くの重篤な合併症が発生する.腹部手術後もmortalityの高い合併症が発生し,腹膜炎もそのうちの一つであるが,外部からの細菌の侵入がない場合でも,内因性の常在菌の日和見的感染による腹膜炎すなわち特発性細菌性腹膜炎が発生する.この腹膜炎は予後不良であり,治療の基本は感染の制御,特に腸内細菌の制御である.一方,腹水の減量と腹水中のオプソニン活性の増強,循環血漿量の維持→腎不全の防止,白血球の機能増強など全身的な生体の防御機構の改善をも併せて治療しなければならない.同時に,非代償性の肝硬変に伴う合併症への配慮も怠ってはならない.
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