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文献詳細

雑誌文献

臨床外科53巻9号

1998年09月発行

特集 急性腹膜炎—病態と治療の最前線

Ⅲ.ハイリスク例の特徴と治療の要点

4.糖尿病・腎不全合併例

著者: 岡本好司1 伊藤英明1

所属機関: 1産業医科大学第1外科

ページ範囲:P.1171 - P.1175

文献概要

 糖尿病や慢性腎不全合併例での急性腹膜炎例では,原疾患や緊急手術の侵襲により糖尿病が悪化したり,持続透析の合併症としての抗凝固剤やその他薬剤の蓄積による止血困難や薬物中毒,糖尿病・腎不全両合併症に関連する易感染性や創傷治癒遅延などが生命予後の危険因子となり,外科治療において問題となる.糖尿病では,インスリン投与により術前血糖値をコントロールし,ケトーシスの消失,脱水の改善,電解質・酸塩基平衡の是正を計り,腎不全例では,血中カリウム値・酸塩基平衡の是正のために緊急人工透析を行って,緊急手術を施行すべきである.実際の症例に対して丁寧かつ慎重に対処していくことが大切であり,腹膜炎に対する根治手術が大切である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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