文献詳細
特集 乳癌の手術:最適化への論点
A.乳腺切除範囲のpros and cons
文献概要
現在,わが国では胸筋温存・乳房切除術(乳切)が60%,乳房温存手術(温存術)が30%を占める.温存術の適応は,腫瘤径3cm以下であり,広範な石灰化像,乳頭異常分泌,乳頭・乳輪下腫瘤などは適応から除外される.一方,乳切は,このような制限がなく,適応が広い利点がある.
また,乳房内再発の不安がない.さらに放射線治療が不要で,それに伴う合併症がなく,治療期間が短く,医療費および諸経費が安価などの利点がある.QOL上は,身体面では温存術と比較して美容上は不利であるが,精神・心理面では治療初期ではむしろ温存術より良好である.社会面では,治療期間・経費の面で有利である.術式選択にあたっては,これらを十分に考慮したインフォームド・コンセントが重要である.
また,乳房内再発の不安がない.さらに放射線治療が不要で,それに伴う合併症がなく,治療期間が短く,医療費および諸経費が安価などの利点がある.QOL上は,身体面では温存術と比較して美容上は不利であるが,精神・心理面では治療初期ではむしろ温存術より良好である.社会面では,治療期間・経費の面で有利である.術式選択にあたっては,これらを十分に考慮したインフォームド・コンセントが重要である.
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