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文献詳細

雑誌文献

臨床外科54巻1号

1999年01月発行

特集 乳癌の手術:最適化への論点

A.乳腺切除範囲のpros and cons

2.乳房温存術式の功罪

著者: 芳賀駿介1 歌田貴仁1 今村洋1 渡辺修1 飯田富雄1 芳賀陽子1 清水忠夫1 梶原哲郎1

所属機関: 1東京女子医科大学附属第2病院外科

ページ範囲:P.25 - P.28

文献概要

 円状部分切除術に放射線照射を併用する乳房温存療法について,約10年間の経験を基に総括し,本治療法の今後の展開について検討した.治療成績では乳房内再発単独例はなく,予後良好であった.また,美容的にも優れ本治療法の有用性が確かめられた.一方,今後の問題点として,多くの癌遺残があると思われた症例の約40%に癌遺残はなかったこと,free marginが十分あり放射線照射の必要がなかったと思われる症例が26.5%あったこと,salvage困難な遠隔転移を伴う炎症性乳癌様再発を1例にみたことである.今後,癌の拡がりに対応した切除法の選択,放射線照射の適応基準の見直しにより,症例ごとに最適な治療法が選択できるよう努めるべきと考える.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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