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文献詳細

雑誌文献

臨床外科54巻1号

1999年01月発行

文献概要

特集 乳癌の手術:最適化への論点 A.乳腺切除範囲のpros and cons

3.乳腺部分切除術:扇状と円状の差異

著者: 山下純一1 阿部道雄1 小川道雄1

所属機関: 1熊本大学医学部第2外科

ページ範囲:P.29 - P.32

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 本邦でも,早期乳癌に対する標準的治療のひとつとして,乳房温存療法が広く行われるようになった.乳房温存手術には,扇状切除術,円状切除術,腫瘤摘出術の3通りがある.主病巣周囲の乳腺切除に関しては,扇角60°の扇状切除は,free margin 2cmの円状切除とほぼ同等である.しかし,扇状切除術が乳頭を頂点とした乳頭側乳腺を切除するのに対し,円状切除では同部を切除しない.円状切除は扇状切除に比し,美容的にはより高い満足度が期待できるが,その反面,幾分か癌巣を遺残させる可能性が高い.「美容的により美しい乳房」か,それとも「乳房内再発の可能性がより低い乳房」か.相反する2つの側面が,医師,患者の双方を悩ませている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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