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文献詳細

雑誌文献

臨床外科54巻1号

1999年01月発行

文献概要

特集 乳癌の手術:最適化への論点 B.リンパ節郭清のpros and cons

9.N0症例に対する腋窩リンパ節郭清の得失

著者: 佐野宗明1 牧野春彦1

所属機関: 1新潟県立がんセンター外科

ページ範囲:P.61 - P.64

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 乳癌手術における縮小化は腋窩リンパ節郭清の是非までに至った.これはリンパ節転移のない早期症例が多くなった結果である.問題は,いかにして術前にリンパ節転移を予測するかである.腋窩郭清の意義は局所制御と予後因子であり,とくに転移個数は術後補助療法の決定に直結する.触診では的確にリンパ節転移を把握できず,また,腫瘤径,画像診断あるいは分子生物学的診断を用いても予測し得ない.DCIS(ductal carcinoma in situ)以外に3cm以下の75歳以上,純型の粘液癌あるいは非郭清後に再発例のみに郭清をする腫瘤径が1.0cm以下の浸潤癌などが非郭清の候補にあげられる.現在,SLN(sentinel lymph-node)生検に関心が寄せられているが,この低侵襲手技は医療費抑制にも寄与し,QOLの向上につながる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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