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文献詳細

雑誌文献

臨床外科54巻1号

1999年01月発行

文献概要

特集 乳癌の手術:最適化への論点 B.リンパ節郭清のpros and cons

14.胸骨傍・鎖骨上リンパ節郭清に残る役割

著者: 浅越辰男1 中津美優1 花谷勇治1 長岡信彦1 葉梨圭美1 小平進1

所属機関: 1帝京大学医学部第1外科

ページ範囲:P.83 - P.86

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 胸骨傍リンパ節(PS)および鎖骨上リンパ節(SC)郭清の意義を検討した.PS転移陽性乳癌の治療方針は臨床判断分析法によった.その結果,1)PS転移陽性および再発例とも内側中央,腫瘍径3cm以上,n+例が多かった.2)n0乳癌PS再発5例はいずれも内側中央,3cm以上群であった.3)PS郭清104例,PS転移・再発36例を対象とし健存率を効用値とした臨床判断分析では,照射群の期待値のほうが非照射群より高かった.以上よりPS転移陽性乳癌に対する治療方針としてはPS郭清により確定診断後,早期に照射し局所制御することは有用で,内側中央,3cm以上例で特にこの意義が高まると考えられた.またSC郭清の意義はなく,肺転移を続発することが多く予後は不良であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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