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文献概要
カラーグラフ 消化器の機能温存・再建手術・14
直腸癌に対する自律神経全温存低位前方切除術
著者: 杉原健一1
所属機関: 1東京医科歯科大学医学部第2外科
ページ範囲:P.1253 - P.1258
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器械吻合法やdouble stapling法の開発により1),それまでは直腸切断術が適応されていた症例に括約筋温存術が行われるようになった.一方,直腸癌の局所コントロールの目的で側方郭清を含む拡大リンパ節郭清が導入され,その効果が認められるようになった2).しかし,拡大リンパ節郭清では骨盤内自律神経系が切除されるため,術後の排尿・性機能障害が大きな問題となった3).その解決策の1つとして骨盤内自律神経温存法が開発され,また,側方リンパ節転移の危険因子の研究に基づき側方郭清の適応が再検討された4).
本稿では下部直腸癌に対する自律神経全温存低位前方切除を紹介する.
器械吻合法やdouble stapling法の開発により1),それまでは直腸切断術が適応されていた症例に括約筋温存術が行われるようになった.一方,直腸癌の局所コントロールの目的で側方郭清を含む拡大リンパ節郭清が導入され,その効果が認められるようになった2).しかし,拡大リンパ節郭清では骨盤内自律神経系が切除されるため,術後の排尿・性機能障害が大きな問題となった3).その解決策の1つとして骨盤内自律神経温存法が開発され,また,側方リンパ節転移の危険因子の研究に基づき側方郭清の適応が再検討された4).
本稿では下部直腸癌に対する自律神経全温存低位前方切除を紹介する.
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