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特集 消化管EMRの現状と問題点 5.結腸病変のEMR
大腸EMRの適応とピットフォール
著者: 清水誠治1
所属機関: 1京都第一赤十字病院消化器科
ページ範囲:P.1297 - P.1303
文献購入ページに移動 内視鏡内科医からみた大腸病変のEMR(endoscopic mucosal resection)に対する考え方について述べた.腺腫やm癌では大型の病変であっても,技術的に困難であったり環周度が高いものを除きEMRの適応である.sm癌では浸潤が粘膜筋板下端から1,000μm以下の病変は基本的にEMRで根治可能と考えられる.またsm癌に対するEMRの適応拡大を図る上では脈管侵襲の有無に着目する必要があると考えられる.EMRの適応を診断する目的には内視鏡所見に基づく評価に加えて,直接的な断層像が得られるEUSが有用であるが,EUSでは技術的理由あるいはリンパ濾胞や線維化の存在による過大評価に注意が必要である.
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