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文献詳細

雑誌文献

臨床外科54巻11号

1999年10月発行

特集 薬物療法マニュアル

Ⅰ.救急患者の薬物療法 3.代謝・内分泌系

アシドーシス

著者: 塚本雄介1

所属機関: 1北里大学医学部第4内科

ページ範囲:P.44 - P.46

文献概要

定義
 アシドーシス(acidosis)とアルカローシス(alkalosis)の用語は往々にして間違って使われている.動脈血液ガス分析で実際にpHが正常範囲(7.5〜8.0)より低下している状態は酸血症(acidemia),増加している状態はアルカリ血症(alkalemia)と呼ばれ,アシドーシスおよびアルカローシスとは厳密には異なる.アシドーシスおよびアルカローシスとはそれぞれ血液中にHまたはOHが増加するような病態が存在することを指し,それぞれ呼吸性または代謝性の代償が追いつかなくなると実際に血液pHが正常域を逸脱し,酸血症またはアルカリ血症を呈するようになる.このことを理解していないと,血液pHだけに目を奪われて酸—塩基平衡異常を見落とすことになる.特に代謝性アシドーシスに代謝性アルカローシスが合併するような複雑な病態を理解できなくなる.これが奇異に聞こえるとすれば前述の意味を理解していない.例えば尿毒症で代謝性アシドーシスを呈し,かつ嘔吐が起きるとクロール喪失による代謝性アルカローシスが合併することになるのである.アシドーシスとはあくまで病態を指しているのであって,必ずしも酸血症でなくても良い.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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