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特集 薬物療法マニュアル Ⅰ.救急患者の薬物療法 8.外因による障害
熱射病
著者: 宮城良充1
所属機関: 1沖縄県立中部病院地域・救命救急科
ページ範囲:P.93 - P.96
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高温の環境下に生体に生じる障害は日射病(heat syncope),熱痙攣(heat clump),熱疲労(heat exhaustion),最も重篤な熱射病(heat stroke)がある.熱射病は紀元前24年の古代ローマ時代にすでに軍隊の行軍中に発症する死亡率の高い疾患として記載されたものの,19世紀半ばまで高い外気温と体温,臨床症状との関連がわかっていなかった.1946年Malamudらによって熱射病から多臓器不全に陥る症例を呈示されてから病態解明は大きく進んだ.その後50年たっても病因は完全には解明されておらず,近年エンドトキシンやサイトカインの関与も取りざたされており,興味のある疾患である1).
高温の環境下に生体に生じる障害は日射病(heat syncope),熱痙攣(heat clump),熱疲労(heat exhaustion),最も重篤な熱射病(heat stroke)がある.熱射病は紀元前24年の古代ローマ時代にすでに軍隊の行軍中に発症する死亡率の高い疾患として記載されたものの,19世紀半ばまで高い外気温と体温,臨床症状との関連がわかっていなかった.1946年Malamudらによって熱射病から多臓器不全に陥る症例を呈示されてから病態解明は大きく進んだ.その後50年たっても病因は完全には解明されておらず,近年エンドトキシンやサイトカインの関与も取りざたされており,興味のある疾患である1).
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