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文献詳細

雑誌文献

臨床外科54巻11号

1999年10月発行

特集 薬物療法マニュアル

Ⅲ.周術期の薬物療法 1.予定手術

麻酔の前投薬

著者: 鈴木利保1 滝口守1

所属機関: 1東海大学医学部麻酔科

ページ範囲:P.140 - P.142

文献概要

前投薬の目的
 前投薬の目的は手術を受ける患者の精神状態を少しでも快適にすること,とりわけ患者の不安を取り除くこと,麻酔の導入をスムーズに行うこと,麻酔の副作用を少なくすることにある.そのためには術前に麻酔科医が患者を診察し,検査結果を把握した上で患者と必要に応じて家族に面接を行い,麻酔の手順,麻酔計画および起こりうることを説明して納得を得ることが大切である.なによりも大切なことは患者を心理的,生理的に把握することである.前投薬の主な目的を表に示す.
 術前の患者心理をよく理解し,患者の不安の程度をよく観察することが大切である.不安の強い患者や良い信頼関係が得られなかった患者は,とかくheavy premedicationになる傾向が強い.不安の強い患者には鎮静薬の投与より麻酔科医による術前の説明のほうが不安を鎮める効果が大きいと言われている.患者の年齢,全身状態,手術内容,手術時間,麻酔法などを考慮した上で薬物の種類,投与時間,投与経路,投与量を決定する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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