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特集 薬物療法マニュアル
Ⅲ.周術期の薬物療法 1.予定手術
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下部消化管手術の特徴は,1g当たり1010〜11個のBacteroidesを主とする嫌気性菌と106〜8個の好気性菌を含んでいる糞便1)を内容物とする大腸を切離することである.したがって,少量の腸管内容による汚染であっても,組織は多数の細菌にさらされることになり,予防的な抗生剤を投与しなければ,創感染率は30〜40%に上ると報告されている2,3).このように下部消化管手術では他の消化器手術に比し,術後の創感染および創以外の感染症の発生率が高いという特徴を踏まえ,本稿では術前の腸管前処置と周術期の抗生剤の使用方法について記述する.
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