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文献詳細

雑誌文献

臨床外科54巻11号

1999年10月発行

文献概要

特集 薬物療法マニュアル Ⅵ.感染症の薬物療法 2.全身的感染症

破傷風,ガス壊疽

著者: 山崎元靖1 田熊清継2 青木克憲1 相川直樹1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部救急部 2済生会神奈川県病院救急部

ページ範囲:P.368 - P.369

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破傷風
 破傷風は局所に感染した嫌気性菌である破傷風菌Clostridium tetaniの産生する外毒素tetanospas-minの神経系への作用により発症する重症感染症である.C.tetaniは土壌に生息し,通常外傷により創部から侵入する.主な症状は開口障害,痙攣,腱反射亢進,呼吸困難,窒息などを呈する.死亡率は30%に達するが,外傷歴不明例が1/4にみられるため,本疾患は予防に重点が置かれる.潜伏期は2日〜8週間であり,一般的に感染から発症までの時間が短いほど,また開口障害から全身痙攣までの時間(onset time)が短いほど予後が悪い.治療は開口障害などの所見があり,破傷風を疑った時点で開始しなければならない.経過中の多彩な症状に対処するため,集中治療室での管理が望ましい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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