文献詳細
特集 薬物療法マニュアル
Ⅶ.併存病態の理解と薬物療法 3.呼吸器疾患
文献概要
基本的な事項
気管支喘息はその有病率が成人で1〜4%と高く,しかも近年増加しつつある疾患である.本症の病態が気道の慢性アレルギー性炎症として捉えられるようになっている.その病巣では,1)リンパ球や好酸球などの免疫・炎症細胞が関与する炎症が持続しており,2)粘膜浮腫,気道分泌の亢進,血管透過性の亢進,気道平滑筋の収縮による気道の閉塞に加えて炎症細胞の放出する細胞障害因子による気道上皮細胞の障害および剥離がみられ,3)進展例では基底膜の肥厚や線維化,気道平滑筋の肥大などの気道組織のリモデリングにより非可逆的な気流制限が起こる.このような背景から,本症の治療では発作を解消する治療法から,炎症を抑制することによって喘息発作の予防や疾患の進展防止をはかる長期管理に力点が置かれるようになっている.
気管支喘息はその有病率が成人で1〜4%と高く,しかも近年増加しつつある疾患である.本症の病態が気道の慢性アレルギー性炎症として捉えられるようになっている.その病巣では,1)リンパ球や好酸球などの免疫・炎症細胞が関与する炎症が持続しており,2)粘膜浮腫,気道分泌の亢進,血管透過性の亢進,気道平滑筋の収縮による気道の閉塞に加えて炎症細胞の放出する細胞障害因子による気道上皮細胞の障害および剥離がみられ,3)進展例では基底膜の肥厚や線維化,気道平滑筋の肥大などの気道組織のリモデリングにより非可逆的な気流制限が起こる.このような背景から,本症の治療では発作を解消する治療法から,炎症を抑制することによって喘息発作の予防や疾患の進展防止をはかる長期管理に力点が置かれるようになっている.
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