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文献詳細

雑誌文献

臨床外科54巻11号

1999年10月発行

文献概要

特集 薬物療法マニュアル Ⅶ.併存病態の理解と薬物療法 4.消化器疾患

腸管癒着症

著者: 納賀克彦1

所属機関: 1川崎市立川崎病院外科

ページ範囲:P.452 - P.453

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疾患の概念
 腸管癒着とはなんらかの原因で腸管漿膜あるいは壁側腹膜が損傷を受け,漿膜下層と周囲の他の漿膜とが線維性に癒着した状態をいう.漿膜損傷の原因としては腹膜炎などの炎症,血液や消化液による化学的刺激,温熱,乾燥などによる物理的刺激や手術操作による機械的損傷などが挙げられる.一般に腸管の癒着が形成されても必ずしも腹部症状を呈するとは限らず,むしろ無症状に経過することが多い.腸管癒着により腸管内容の通過に何らかの障害が発生した状態を腸管癒着症といい,約90%は開腹術後に発生する.通過障害が強くなると腸閉塞となる.癒着により通過障害をきたす腸管は主に小腸であり,特に下部小腸に多い.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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