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文献詳細

雑誌文献

臨床外科54巻11号

1999年10月発行

特集 薬物療法マニュアル

Ⅶ.併存病態の理解と薬物療法 9.水・電解質異常

低・高カルシウム血症

著者: 斎賀美恵子1 井上大輔1 松本俊夫1

所属機関: 1徳島大学医学部第1内科

ページ範囲:P.526 - P.528

文献概要

カルシウムの代謝調節
 血清カルシウム(Ca)濃度は骨からの放出,腎尿細管での再吸収,腸管からの吸収などによりCaが血中へ動員されることで維持されている.これらの臓器と血液との間の代謝平衡を調節することによって,血清Ca濃度の維持に中心的な役割を果たしているのが副甲状腺ホルモン(PTH)や1,25水酸化ビタミンD(1,25(OH)2D)などのCa調節ホルモンである.PTHは骨と腎に作用し,主に骨吸収の亢進と腎遠位尿細管でのCa再吸収の促進によって血清Ca濃度を維持している.更に,PTHによる腎近位尿細管の1α水酸化酵素活性の促進を介して生成される1,25(OH)2Dは,CaとPの腸管からの吸収促進などによって骨の石灰化を含めた長期的なCa代謝平衡の維持にかかわっている1)
 血清総CaのうちCa調節ホルモンの厳密な調節を受け,生体の細胞機能に直接影響を及ぼすのは,その約50%を占める遊離イオン化カルシウム(Ca2+)である.残りの大部分は主にアルブミンなどのタンパクに結合して存在する.したがって,血清アルブミン値が4g/dl以下のときには見かけ上総Ca濃度が低下するため,その評価には次のような補正式を用いる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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