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文献詳細

雑誌文献

臨床外科54巻11号

1999年10月発行

文献概要

特集 薬物療法マニュアル Ⅷ.終末期患者の薬物緩和療法

症状緩和とセデーション

著者: 田中桂子1 志真𣳾夫1

所属機関: 1国立がんセンター東病院緩和ケア病棟

ページ範囲:P.530 - P.532

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終末期癌患者の症状とセデーション
 癌早期発見への努力と外科技術の進歩にもかかわらず,癌による死亡は年々増加し,年間約27万人で総死亡の32%を占める(1996年).終末期癌患者の症状は癌の部位により様々であるが,疼痛,倦怠感,体重減少,食思不振,嘔気,便秘,呼吸困難感,不眠,混乱せん妄などが挙げられる1).WHO方式がん疼痛治療法2)によるモルヒネの使用が普及して,疼痛の多くは緩和されつつある.しかし神経因性疼痛や倦怠感,呼吸困難感,混乱せん妄など多くの症状は未だ標準的治療法が確立されておらず,こうした緩和困難な苦痛症状の最終的な緩和方法として,セデーションは重要な位置を占める.
 セデーションとは,「標準的な緩和方法による症状緩和が不可能な場合,その苦痛を軽減する目的で薬剤により意図的に意識を下げること」と定義される.終末期患者に対してセデーションがどの位行われているかの正確な報告は少ないが,イギリスの報告では病院で21%,ホスピスで67%であり3),筆者らの緩和ケア病棟では40%(212例中84例)であった.しかし,セデーションの標準的方法は確立されておらず,経験的に行われているのが現状である.本稿では当院緩和ケア病棟で行っているセデーションを中心に紹介する4,6)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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