icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床外科54巻12号

1999年11月発行

カラーグラフ 消化器の機能温存・再建手術・15

肛門括約筋温存直腸切除術後のJ型結腸嚢再建術

著者: 大矢正俊1 赤尾周一1 中村哲郎1 高瀬康雄1 廣瀬清貴1 岩瀬直人1 石川宏1 黄海文昌2

所属機関: 1獨協医科大学越谷病院外科 2獨協医科大学越谷病院医学総合研究所越谷共同利用部門

ページ範囲:P.1389 - P.1393

文献概要

はじめに
 直腸癌に対する肛門括約筋温存術は癌肛門側のsafety marginに関する知見の集積や,器械吻合法・経肛門吻合法などの再建手技の発達に伴い,上部・中部直腸癌だけでなく,下部直腸癌の多くにも施行されるようになってきた,しかしながら,肛門括約筋温存術後には,頻回排便やsoiling,便意促迫などの排便機能障害の症状がしばしば発生し,術後QOLの観点から大きな問題となっている.
 肛門括約筋温存術後の排便機能障害の原因の1つが直腸膨大部切除に伴う便貯留能の低下であることから,Lazorthesら1),Parcら2)は結腸を側々吻合して作製したJ型結腸嚢をneorectumとすることで術後の便貯留能改善をはかる再建法を提唱した.その後,J型結腸嚢再建は従来のストレート型再建よりも術後排便機能が良好であるとする無作為試験の成績も報告され3,4),J型結腸嚢再建は今日では肛門括約筋温存術後の標準的再建法の1つとして確立されつつある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら