icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床外科54巻12号

1999年11月発行

文献概要

特集 胃・十二指腸の非腫瘍性疾患—外科医のための診療指針

4.Helicobacter pyloriと胃病変

著者: 栗原直人1 久保田哲朗1 古川俊治1 大谷吉秀1 熊井浩一郎1 北島政樹1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部外科

ページ範囲:P.1415 - P.1419

文献購入ページに移動
 Helicobacter pylori (以下,H.pylori)は胃内持続感染が認められるグラム陰性ら旋状桿菌であり,本菌の持続感染は胃粘膜の組織学的炎症に帰結する.H.pyloriの特徴,胃内における本菌の病原性,粘膜障害の機序について概説した.本菌との関連が指摘されている胃良性疾患には,胃炎,non-ulcer dyspepsia(NUD),胃潰瘍が含まれる.いずれの疾患においてもH.pyloriの感染が高率に認められ,除菌治療により症状の改善,再発予防が報告されている.一方,潰瘍発症におけるH.pyloriの作用機序についてはいまだに不明な点も多い.これらの疾患については,除菌治療の保険適用が申請されており,H.pyloriの胃病変に及ぼす病態の解明と理解は今後の胃疾患診療に重要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?