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文献詳細

雑誌文献

臨床外科54巻12号

1999年11月発行

文献概要

特集 胃・十二指腸の非腫瘍性疾患—外科医のための診療指針

7.十二指腸潰瘍の病態と外科的治療法の選択

著者: 帆北修一1 石神純也1 中条哲浩1 宮薗太志1 夏越祥次1 馬場政道1 高尾尊身1 愛甲孝1

所属機関: 1鹿児島大学医学部第1外科

ページ範囲:P.1433 - P.1438

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 H2受容体拮抗薬やプロトンポンプ阻害薬の出現により,十二指腸潰瘍の治療体系に大きな変革がもたらされ,いわゆる潰瘍合併症を伴わない症例が外科的治療に委ねられる機会は大幅に減少している.良性疾患である十二指腸潰瘍に対する手術術式は,潰瘍の治療と術後障害の発生防止の両面よりとりわけ慎重に選択すべきである.幹迷切または選択的幹迷切+幽門洞切除は,潰瘍治療効果の面でもっとも優れた術式である.十二指腸潰瘍に対する迷切+幽門形成術後の高い潰瘍発生率の克服は今後の一つの重要な検討課題である.病態面では,H.pyloriと胃十二指腸疾患との関連につい多数の報告がなされ,とくに十二指腸潰瘍については除菌治療の効果などから密接な関連があることが明らかとなってきている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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