文献詳細
臨床報告・1
文献概要
はじめに
膵癌取扱い規約1)において規定される腫瘍最大径が2cm以下の膵癌(TS1,ts1)は一般的に小膵癌と呼称され,近年の画像診断の進歩とともにその発見例も増加する傾向にある.しかし,これら小膵癌は膵癌全体の6.5%にとどまる2)少数例であるにもかかわらず,その大多数がすでに進行膵癌であり,よって治療成績も決して満足するものではない3)ことも周知の事実である.そこで,以前より最大径1cm以下の膵癌,いわゆる微小膵癌を発見することは膵癌診断の究極であるとされているが,その例は今日なお少数例の報告を散見するにすぎない.今回筆者は,黄疸を契機に発見された微小膵癌の治療経験を得たので若干の考察とともに報告する.
膵癌取扱い規約1)において規定される腫瘍最大径が2cm以下の膵癌(TS1,ts1)は一般的に小膵癌と呼称され,近年の画像診断の進歩とともにその発見例も増加する傾向にある.しかし,これら小膵癌は膵癌全体の6.5%にとどまる2)少数例であるにもかかわらず,その大多数がすでに進行膵癌であり,よって治療成績も決して満足するものではない3)ことも周知の事実である.そこで,以前より最大径1cm以下の膵癌,いわゆる微小膵癌を発見することは膵癌診断の究極であるとされているが,その例は今日なお少数例の報告を散見するにすぎない.今回筆者は,黄疸を契機に発見された微小膵癌の治療経験を得たので若干の考察とともに報告する.
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