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文献詳細

雑誌文献

臨床外科54巻13号

1999年12月発行

文献概要

特集 大腸の非腫瘍性疾患—外科医のための診療指針

閉塞性大腸炎の病態と診断・治療

著者: 青山浩幸1 丸田守人1 前田耕太郎1

所属機関: 1藤田保健衛生大学消化器外科

ページ範囲:P.1567 - P.1571

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 閉塞性大腸炎は主に大腸癌やその他の疾患によってもたらされた大腸の高度な通過障害,あるいは閉塞により口側腸管に発生する非特異性炎症である.高齢の男性に多く発症し,閉塞の原因は大腸癌によるものが大半である.その頻度は大腸癌の約1%,大腸癌腸閉塞症例の約10%である.本症の発症には腸管内圧の上昇,腸管攣縮,細菌感染や動脈硬化などの血管障害が関連している.肉眼的・組織学的所見は虚血性大腸炎とほぼ同様の所見を呈する.治療は原疾患と炎症腸管を一括で切除することであり,炎症や潰瘍の遺残によって術後に合併症を呈することがある.炎症腸管をすべて切除しえた症例においては,閉塞性大腸炎の再発は起こらない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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